■10月初旬
最近、アルバム単位で音楽を聴くのがアツい。あるいは、ライブやコンサートのセットリスト順のプレイリスト。というのも、プレイリストやRelease Radarを聞きながら、曲の途中で「次の曲へ」ボタンをぽんぽん押していることに気がついたから。曲の途中で「だいたいこんな感じか。オッケー」と無意識にジャンルや雰囲気をカテゴライズしたり、「好き/うーん」をとりあえず判断したりした瞬間、曲を聴く集中力が途切れてしまい、最後まで聞いていられなくなる。じっくり音楽を聞く余裕のなさの表れかもしれないし、「名曲レーダー」の幅がすごく狭くなっているのかもしれない。とにかく、「音楽がおもしろくない」と思ってしまうのは、ほんとうにおもしろくない。(という意味で、ここ数年、音楽の聴き方の新しい側面を教えてくれたK-POPがあって本当によかった)
「全曲シングルカット可」のアルバムもものすごいけど、アルバムの流れにあるからこそのシンプル・実験的な小曲だったりも魅力的。単体で聴いても最高だけど、Yo La Tengoの「I Heard You Looking」と「Blue Line Swinger」はアルバムの最後に置かれているのがかっこいいし。(ヨ・ラ・テンゴの熱心なリスナーではないのだが、この曲の入った2枚のアルバムは特別に好き)
My Bloody Valentineの「Soon」もやっぱり最後に聞きたいし、ナンバーガールの「桜のダンス」はあの勢いの中に置かれているから良さに気がついたようなところがあるし、透明雑誌の「ILLMAGA」もアルバムの中の一曲だから光っているし……。
そうしてアルバム聴きをしていちばんよかったのはEthel Cain。スケールの大きさにどんどんとのまれていく。行ったことはないので、あくまで想像だが、アメリカの広さと深さ、光と影という印象をもった。「A House in Nebraska」という曲に心を掴まれたので貼ろうと思ったが、「American Teenager」のMVのサムネイルがAmerican Footballじゃないか……(ラブ)。
NCT 127の第4集『2 Baddies』も、「흑백 영화 (Black Clouds)」や「LOL (Laugh-Out-Loud)」などなど、活動曲にはならないのだろうけど、いい曲の揃ったアルバムだった。イリチル、どのアルバムもしっかりいい曲が並んでいて、すげーって思う。「9人9色の声色あってこそ」というのも強く感じる。大人数で歌い継いで構成するよさ、ユニゾンのよさなどというのは、これまであまり意識していなかった音楽の聴き方で、本当に楽しく、感動している。
■10月中旬
物欲の爆発期。冬服、デスクミラー、アイシャドウ、美容液、フェイスパウダー、ルームランプ……。ZARAの服のサイズは、永遠にハマってくれない。いつもとにかくでかい。わかっていても、「今度こそは」の期待を込めて買っては、案の定後悔をする。
いちばん好きなインド料理店のディナーにもようやく行く機会があった。味の複雑さが楽しい。
最後に、最近ふと思い出した2018年の最良の一曲、American Pets「Dying Alone」。これだけのド名曲を残して、2022年現在は動いていないようだし、LAのバンドということしかよく知らないのだが、一生覚えているであろう一曲。MVもグッとくる……。