NCT 127 3rd Tour 'THE UNITY' (日記)

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NCT 127 3rd Tour 'THE UNITY'の名古屋公演両日と、大阪公演初日に行く。テイルさんが怪我の治療で本ツアーは欠席、名古屋公演は両日ともにヘチャンが休演。ヘチャンの歌とダンスの音楽力(ぢから)、grooveを浴びることがコンサートに行く目的の大きな一つであったし、残念な気持ちはどうしても抱えつつ、休めるときには休んでほしいとも思いつつ……。

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■「ライブバンド」NCT 127

『2 baddies』からNCT NATIONを経ての『Fact Check』。ソウル公演と年末の歌番組を見て、イリチルのパフォーマンスに一層のギアが入ったことを画面越しに受け取る。

いつだったか、「ライブのときにガイドから外れる歌い方をすると、スタッフさんから一言ある」というようなことを聞いた記憶があるけど、いまではメンバー全員がその場のテンションを重視したライブ感ある表現をするようになっていて、痺れる。

ただがむしゃらにエネルギーを発散する、ということではなく、安定した歌唱力という土台があり、なによりブチ上げる箇所のはずれなさ、その勘所のよさがかっこいい。センスがいいって単純にかっこよくて、見ていてうれしくなる。(大晦日の「Fact Check」、最後のジェヒョンさんに大痺れした)


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こうしたムードを先導するのは間違いなく悠太さんで、彼がこのツアーを通して口にする「コンサートは観客とともに作りあげるもの」、「誰一人として置いていかない」という言葉はその象徴。そして、その言葉の「共犯」となるかのように、ジャニさんが先導を切ってかましていく。なんて頼れる人なんだ、ジャニ・スー。そんな二人に呼応してメンバーのパフォーマンスが加速して、その熱に観客が呼応する。ツアーを見て受けたのはそんな印象だった。

「ここでしか聞けない」ライブ感を湛えつつ、フロウのシャープさで場を引き締めるマークジェヒョンさんの、ときにゆったりとリズムを捉える歌がつくる揺らぎからは、音楽のダイナミクスが生まれて大好き。ドヨンさんの一見(一聴)正統派な歌声が、イリチルでは逆にスパイスというか、場面転換になるところも大好き。この声が聞こえてくると、イリチルだ、NCTだ、と思う。

とくに注目して見ているのはあるけれど、ヘチャンの歌と舞の求心力。スムースでなめらかで、のびやかで、緩急もすばらしくて、見ていてあまりに気持ちがいい。名古屋公演であの声が聞こえてこない寂しさたるや……。ジョンウは百人力。歌っても踊っても華があって、さらには歌声の力強さまで手に入れており、誰よりも頼もしく感じたのが印象的。

そして、イ・テヨンさんの説得力。楽曲自体がそういう構成だということはあっても、楽曲の終盤にテヨンさんがセンターに立つことで楽曲の物語が浮き彫りになる。パフォーマンスで締めにかかる感じ。見ているほうすら息切れするほどの運動量のなか、テヨンさんが終盤を引き受けてキメてくれることの安心感とリーダー力(ぢから)。

さらには、ここにメインボーカルのテイルさんがいるわけで、イリチルというチームの厚みに驚く。えげつない。

名古屋2日目は席がメインステージ前のブロックのかなり端だったけれど、アンコール最終盤、息切れをしてまで走って、広いステージの端まで手を振りに回るメンバーたち。シズニ(NCTのファンネーム、NCTzen)と向き合う表情を、画面越しでなく直に見られて、「この人たちはいつもこんなに明るい表情でファンと向き合っているんだな」と知った。ステージを見つめながら、「あなたたちが好きだ」と言葉で伝えるかわりに草鈍器(ペンライト)を振り続けているわけだが、その思いは伝わっているのかもしれないな、と思わせてくれる表情だった。

つくづく「いいチームだな」と思わされる瞬間の連続。パフォーマンスに対する自信が、チーム内の空気のよさにもつながっているように思う。とてもいい時間と貴重な瞬間を、私たちは共にさせてもらっている。

そのほか雑感

・炎柱がなにかの曲で、1小節ごとぐらいの頻度で吹き出していて笑う。スタンド下段でも、炎柱が上がるとその瞬間「ムワッ」という熱さが届く。

・大阪公演、スタンド下手の真横から見れた「Cherry Bomb」「Favorite (Vampire)」のフォーメーションの美しさと勢い、血が沸きたつかと思うぐらいかっこよかった。コンサートで見る「Favorite (Vampire)」大好き。

「소방차 (Fire Truck)」、消防車に乗ってメンバーが登場するの、過剰にもほどがあって最高。曲中で歌われる「소방차 (ソバンチャ)」、「Fire Truck」という言葉から意味という鎧が外れて、響きとしてのみ存在する言葉になっているところもとてもいい。

・前回の'THE LINK'で「仕上がってるな〜」と思ったのは、当時の最新曲「Favorite (Vampire)」だったけれど、やはり今回も最新曲の仕上がりは極上。「Fact Check(불가사의; 不可思議)」の脂ののり具合がすごい。

「Space (무중력)」「Yacht」、曲がよくて楽しくて最高。「Je Ne Sais Quoi」のジェヒョンさんによる"Quoi"(クワッ)、その歌い回しがセンスでしかなくてかっこよかった。ジェヒョンさんが言っていたように、楽しかった曲について話すと一晩かかる。なんといっても曲がどれもいいので……。

ジョンウ、「きゅるきゅる」としか言えないきゅるきゅるさ。つやつやの頬。

ジェヒョンさん、ずっとニコニコモチモチとしておられたが、名古屋公演、とくにキュートなチャーミングさが突出していた。対岸の沼のつもりで眺めていたのに、「ああ、これは片足突っ込んでましたわ」と自覚するに至る。

中本さん、美人すぎる。人生で見たなかで、いちばんきれいな笑顔をもつ人。体感、スクリーンに映ったときに会場がいちばんどよめく気がする。どのメンバーでも愛嬌やキリングパートでのどよめきは大きいけれど、普段の表情やただ笑顔のときにそれが起こるのが最高。

ドヨンさん、名古屋初日はボーカル2人が不在による重圧もあるのか、やや緊張して見えた時間もあったのだけど、2日目はにっこり笑う姿をたくさん見せてくれて、「きみが笑えばうれしいんだ」という感情を知る。「ドヨチ〜ズ(と言いながらピース)」という愛嬌を披露したあとに「すいません……」と言ってしまうところ、ステージサイド席(メインステージが見えない真横の席)にいるファンを見て、感謝を述べると同時に「おつかれさまです……」と話すところ、その飾り気のなさがよすぎる。

NCT NATIONのときもそうだったけれど、アンコールでお顔に動物やキャラクター、キラキラしたファンシーなシールが貼られるのが好きすぎる。アンコールでその姿を見た瞬間、飛び跳ねてしまう。

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『Be There For Me』(127 stereo ver. - B)表面も裏面もレコードなデザインでかわいい。A versionの裏面も超レコードでかわいい。

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20231123 SHINee WORLD Ⅵ

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SHINee WORLD Ⅵの名古屋公演に行く。

いまさらながらK-POPをこれほどまでに好きになった理由にはいろいろとあるが、SHINeeがかっこよかったこと、というのはかなり大きい。「Don't Call Me」のティザーイメージ、SF感覚、完璧なスタイリング。


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さらに、ディスコグラフィーを振り返るなかで出会った「View」の鮮烈さ。はじめてきちんと「View」を聴いた場所まで覚えている。その瞬間、景色の見え方が変わったから。この瞬間を機にK-POPへののめり込み方が変わった。だから、わたしは自分のことを明確に、「View前」と「View後」で分けることができる。


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「1 of 1」は、暫定でいちばん好きなタイトル曲。ちょっと疲れてしまって歩みが止まったとき、この音に合わせてステップを踏めば、背中を押されるように一歩を踏み出すことができる。『Odd』も『1 of 1』も収録曲がいい曲揃いで、「SHINeeを聞かずに、2015〜2016年のわたしはなにを聴いていたんだ?!」と思わず言いたくなってしまう(とはいえ当時は当時で夢中なものがあったのだ)。


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こうした出会いのどれもが、彼らが今日まで活動を続けて、新作のたびに妥協なくかっこいい音楽と作品を生み出していたからこそであるし、3人で敢行された今回の公演もそう。それでも舞台に立ってくれるから、わたしのような新規のファンがSHINeeを輪郭のある存在として感じることができた。「SHINeeはここにいます」と新旧のファンに宣言すること。15年目のアイドルが回る、5年ぶりのツアーの意義を直感的に理解した。

隣席の方が、初期の曲で完璧に掛け声をされているのが眩しかった。SHINeeとシャヲル(ファンダム名:SHINee WORLD)の間のつながりがはっきりと目に見えるようだった。わたしもこんな風に、なにかと人生をともにできたらいいなと思った。わたしの両親以上の年齢(に見える)のご夫婦が何組かいらっしゃったのも、彼らが重ねた歩みの分厚さを垣間見るような思いになった。

なんといっても曲がいいので、客席で曲にあわせて歌ったり、踊ったりしているだけでも満足度は十分に高い。でもやはり、パワフルなパフォーマンス。テミンさんのターンの美しさ。それから、テミンさんの脚の動きを見ればリズムがわかるというか、ふとリズムを見失ってもテミンさんのステップがノリ方を教えてくれるというか……。身体から音符が飛び出すようで、これがかのイ・テミンさん……! と感動しきりだった。

新規のファンゆえにまだまだ自信をもって話せることは少ないのだけど、とにかくSHINeeの歩みのすべてに敬意を表したい。


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MMAもぶっちぎりでかっこよかった。5人の声がきちんと聞こえる演出、オニュさんとジョンヒョンさんの歌声の特別さが、新規のファンであるわたしにも鮮やかに伝わってきた。合同コンサートや年末の授賞式などパフォーマンスのたびに、ぶちかましておられるようで痺れる。ほぼ同い年ということもあり、とても勇気をもらっている。

230909 - 0910 NCT NATION - To The World

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NCT U、NCT 127、NCT DREAM、威神V(WayV)の全20人が一堂に集う、「NCT NATION - To The World」の大阪公演に2日間行く(*テイルさんが怪我で不参加のため、公演は19人)。ものすごい熱と圧の公演で、2週間経ってなお、気持ちを引きずられたまま過ごしている。

■雑感

NCTに教えてもらった「アイドル」の姿というのは、その声、その姿形、その所作、一人ひとりに固有の身体に宿る個性のことだった。「個性」を強く意識させられた理由には、NCTが20人を超える大所帯であること、うち半分のメンバーの国籍が韓国でなく、第一言語が韓国語でないということも大きかったと思う。「違い」が前提であること、そして大所帯の中で、いっそう光り輝くために自身の魅力を磨くこと。(*これらはなにもNCTに限らないと思うが)

音楽について正確に語れる知識はないが、SMエンターテイメントの作品のボーカル処理や、歌声への思想的な部分も、メンバーの個性が際立って見える一因なのかもしれない。聴くたびに、こんなにそれぞれの声を活かせるのかと驚く。

とにかく、異なる人間たちが交差するNCTという団体の現在地が、正規第4集『Golden Age』であり、NCT NATIONの舞台。交差した20本の線はこれから先、世界中に散らばっていくのかもしれないが(すでに、2023年は23人のうち3人がNCTを離れ、この秋には7人が新たに交わる)、「Golden Age」で歌われる通り、記憶は永遠であるとするならば、彼らがこれからどこに行こうとなにをしようと、「NCTだった」という記憶はその身に息づき続けるのである。

メンバーが世界各地に散らばって撮影されたティザーも、その印象を強くした。願わくは、NCTであった記憶が将来、この世界を歩む彼らの背中を押してくれるものでありますように。

f:id:yumumu:20230928125512j:image(第3集『Universe』のブックレットから。メンバーごとの軌道。正直いっさい意味はわからないが、ロマンはある。『Universe』は謎な模式図や設計図が載っていて、「過剰だな〜」と思えておもしろい)

終演後に寂しさを感じながらも、10月にはNCT 127(イリチル)のカムバックが予告されており、威神Vも待望の正規2集のレコーディングが終わったという報せ*1。追いかけはじめて3年弱のひよっこですが、まだまだわたしも並走していく所存です。

この興奮を伝えるには公演を見てもらうのが一番早いとは思いつつ、記憶の備忘録もかねて、なんとかほぼ全曲の感想を残してみた。どんな言葉も、メンバーの表情や指先の所作1秒1秒が持つ情報量には敵わない、と打ちひしがれてしまう。本編最後の「RESONANCE」に至っては、本当なら1カットごとに感想を言えてしまう……。

〜開演まで

記念がてら音盤を購入し、20種ランダムのフォトカードから2枚をゲット。ひっくり返すと、金髪の𝑇𝐸𝑁 𝐿𝐸𝐸が現れ、一人にもかかわらず変な声が出る。自引き。会場でウロウロして、そのほかのテンさんのフォトカードも交換でゲット。にんまりしながら会場入り。

入場すると、NCT NEW TEAM(仮)のパフォーマンス。シオンさんの舞台を楽しむ姿、楽しもうとする姿がとても目を惹くし、応援心が沸いた。

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■本編: 全41曲、1曲1分で話しても41分かかる計算……

*以下の曲目は、ユニット、グループ名を初出のみ記載し、あとは色で示しています。NCT Uは曲ごとにメンバーが異なりますが、Uでまとめています。メンバーの敬称ありなしに意味はなく、文章のノリです。

spotify.link

*座席は初日がアリーナ右側ほぼ最後列、2日目がスタンド下手20列台*2

・INTRO: Neo Get My Back(全員) スクリーンに順に映される19人のメンバーの顔・顔・顔。まだ陽が暮れていない明るい日常の空間が、重たい音楽と、加工された声で繰り返される「Neo got my back / Culture things / Tech, tech on my mind」という言葉で非日常に塗り替えられていく。「Neo Culture Technologyという言葉がかっこよすぎる!」と、SF心をくすぐられたこともNCTを好きになった理由なのだが、スクリーンに映る「Neo Culture Technology」の文字を見ながらやはり「かっこいい!」と昂ぶる。

・The 7th Sense(NCT U) 「音楽にノる」というよりも「音楽の上をたゆたう、流れる」ような、とてつもなく抑制されたNCTのデビュー曲。舞台装置なしのスタジアムの広い舞台に5人だけが佇む贅沢な空間。緩急の効いた一挙一動は、広いスタジアムの舞台で意味を増しながら、空を切っていく。エネルギッシュに動くわけではないのに、とてもフィジカルを感じて痺れた。

・無限的我 (무한적아; Limitless)(NCT 127) イントロのうねる低音、NCT的世界観の拡張と始動。「ム! ハン! チョ! ガ!」の掛け声、一生に一度は叫びたかったので存分に。

・无翼而飞 (Take Off)(WayV) ウィンウィンのいる威神Vをようやく見ることができた。とくに初日はその感慨でいっぱいに。会場も同様で、ウィンウィンが映るたびに大歓声があがる。歌い出しを担ったのはヘンドリー。テンさんがセンターで率いるダンスブレイクも、メンバー全員キマっていて最高。今の威神Vの形を見せつけてくれた。

・BOOM(NCT DREAM その声を聞くために、数小節前から5万5000人が静まり返るナ・ジェミンさんの "ice cream♡"。青髪で登場のロンジュンさん、初日の濃いメイクはいつもと異なる印象で目を惹く。もともと高いチソンのパフォーマンス力、とどまることを知らない。

・Black on Black  猛獣の咆哮で始まる曲、「変すぎる!」と「かっこいい!(厨二病的な意図で)」という感情が交互にやってくる。なんといっても、リリース当時にはまだNCTではなかったシャオジュン・ヘンドリー・ヤンヤンの登場。「まかせておけ」とでもいうような、ものすごい顔圧で加わる新ヒーロー。その後、3人の勢いを引き継いで、一人で舞い、NCTの"N"の文字を両手で作り、会場を振り返るテンさんの姿……。すべての画角がキマっている。全員に見てほしい。メンバーを率いて中央に立つジェノと、マンネ(最年少)チソンにも痺れる。咆哮にあわせて、陣形を組んだメンバーが一つの生き物のようにうごめき運動する光景、すごいです。

・Interrude: Oasis 夕暮れの到来にぴったり。チョンロさんの歌声の安定感と安心感。

・WITHOUT YOU ドヨンさんのどこまでも伸びていく圧巻の歌声。ドームで見たときにもその伸びやかさに感激したのだけれど、そのドームすら狭かったのだと思わされるほど。この歌声が聞けただけでも、スタジアムでライブを見られてよかった(なおさらテイルさんの歌が聴きたくなった)。ジェヒョンさんの声量はメンバー随一。歌い回しもかっこよくて、ジェヒョンの歌はコンサートで聞くのがいちばん映える。そして、"I need you"と歌うクンさん。脊髄反射で歓声が出てしまった。

・Round & Round〜Know Now〜Vroom Universe』の中でも、メロウでいい曲たちのゾーン。「Round & Round」は声とハーモニーの個性を堪能できる曲。わたしはテンさんの歌のバイブスからテンペンを自覚しはじめたこともあり、「きれいだ……」とハワハワしながら歌声を噛み締める。「Know Now」、ジェノが歌い出すと、ジェノの声の特別さにハッとする。

・Kangaroo 『Golden Age』の中で、声の響きになぜか泣けてくるのがこの曲。チョンロとチソン、ヤンヤンとロンジュン、クンさんとテイルさん、よくこのメンツを揃えてくれました、と言いたくなる夢のメンツで披露される、夢のようなコレオグラフィー。両日ともに背中を向けられていたので、チョンロさんの足が動くさまと、かわいさの無双状態を正面から浴びたかった。

・Coming Home〜My Everything〜Good Night〜From Home 夕暮れとともに、バラードが続く。テイルさんの不在を感じながらも、それぞれが役割を真っ当する。わたしは、シャオジュンさんが大事そうに大事そうに歌う姿が大好き。「Good Night」の映像、歌唱メンバーの顔が輪郭のぼけた正方形にトリミングされて夜空に浮かんでいて、ちょっとおもしろいな、という記憶が……。3か国語で歌われる「From Home」は、もう一つのThat's NCTの形

・SHALALA(TAEYONG) NCT大隊長、イ・テヨンさんのおでまし。クールさ、キュートさ、ギークさ、ユニークさ、キッチュさ、奇天烈さ……。あらゆる形容詞がこの人の身の上で成り立つのではないかと思うことがある。モンスターや怪物の雰囲気すらまとえる人はそう多くないと思う。唯一無二。

PerfumeNCT DOJAEJUNG) しっとりとした雰囲気での登場にもかかわらず、掛け声大会になるほどの盛り上がりは予想外で最高。"yeah, yeah that's me"からのジェヒョンさんのスムースな歌唱とダンス、見ていて本当に楽しい。声ひとつで質感を変えてしまうジョンウの歌声は宝。

・Broken Melodies〜ISTJ〜(MC)〜Best Friend Ever スタジアムをどのユニット、グループよりも自由に使っていた印象があったのがドリム。陽が沈む間際の「Broken Melodies」は待っていた瞬間! 個人的には夜明けの音楽で、チクチクする青春の痛みと、悩み抜いた夜を超えた明け方の痺れと甘さを感じて、大好きなindie popを思い出す。日本語曲「Best Friend Ever」も眩しくて眩しくて。発表当初のドーム公演ではまだまだ反響の少なかったこの曲が、時間を経てシンガロング曲になっている光景も含めて、眩しくて美しかった。ロンジュン・へチャン・チョンロの声、ドリム固有のハーモニー。

・Kick Back 完全な夜の到来とともに登場する威神、完璧。ロックバージョンに編曲されており、重たく歪んだ低音が響く。ウィンウィン、ヘンドリー、ヤンヤンによるサビ前の"tic toc tic"の決まり具合が強烈。ダンサーとメンバーをかき分け、満を持して中央に登場するシャオジュンのプリコーラス、感動と興奮で泣いてしまいそうになる。配信で見た東京公演最終日、日本公演4日間でのものすごい大化けを目撃して慄いた。

・Love Talk(2日目: Nectar) 歓声後の一瞬の静寂の空気を切り裂くように響く"I can hear it callin'"のテンさんの声。仁川公演を見て「次はNectar」と準備していたので、この日最大の「ギャァァ!」が出てしまい、それ以降の記憶がない。

*2日目の余談:ドリムのときに降りはじめた雨がどんどんと強まり、「Nectar」で豪雨に。それまで雨に打たれなかったスタンドなかほどにも大粒の雨が入り込む。意地で応援の姿勢を崩さずにいたのだけれど、さすがに厳しくなるほどの雨。仁川公演に続き、トラブルに直面する威神の姿に、「なぜ困難ばかり……」と心がグシュンとなってしまったが、シャオジュンさんのシャオジュンさんらしいユーモアと思いやりに和まされた。天候の様子見のためか長引くMCタイムに、客席にも不安がじんわりと広がっていたように思うが、その様子を感じ取り、先導をとってなんとか明るい方に進もうとするシャオジュンさんのひたむきさ。(かわいいモーメントもたくさんあったけれど、稲光も見えるスタンドにいると普通に心配で、「おい、威神を危険な目にあわせるな!(+メンバーが舞台にいると観客も身を守る判断がしづらいし)」という怒りも感じました)

・Phantom 威神Vのリーダー、クンさんによるリミックスをついに。赤い光に照らされて、怪しげにうごめく白い布。その下から姿を現したのは、玉座(玉!座!)に腰掛けるヤンヤン。中華の音階を存分に盛り込んだダンスブレイクを経てやってくる、ヤンヤンのラップの気迫は世界一! そのあとのブリッジ部分も、原曲以上に壮大に響く楽曲構成。「こんな威神Vが見たかった」が叶えられていて、それがリーダーの手によるものであることに納得と驚きを覚える。現在の威神Vチームの結晶Phantomのテンさんのダンスは畏れ。全員に見てほしい(2回目)。

・영웅 (英雄; Kick It)〜Chain〜2 Baddies イリチルの覇気が大大大好き。かます気合いがいつだってある。ジャニさん、悠太さんのコンサートならではのバイブスに宿る自信と余裕。「Kick It」終盤にターンを決めてセンターにかちこみ、視線をかっさらっていくヘチャン、何度見ても最高。最終兵器感。

・New Axis いちばん楽しみといっても過言でなかった。なんてったってテヨンとマークというNCTの大看板に食らいつくヤンヤン。わたしはヤンヤンのラップの語尾の音が大好き。大阪2日目は、初日以上にかます姿を見れたこと、後ろ向きに被ったキャップ姿に拍手喝采。もちろん、テヨンとマークの強烈すぎる個性は見事。

・The BAT〜Faded in My Last Song〜OK!〜PADO 情緒の波が怒涛すぎるゾーン。「The BAT」、ある種の方向に振り切れていて笑ってしまう。テンさんの声が印象的な「Faded〜」、終盤のチソンさんの低音に「ワ〜オ」と思っているうちに「PADO」。このあたりはトロッコとサイドステージ曲で、わたしの席からは背中の鑑賞大会になってしまい……。

・Ally Oop〜Misfit 普段、大きなキラキラした目で前を見つめるヘンドリーの眼光がギッと鋭くなったことに震えた。思えばヘンドリーさんの目の表情や演技は、昔からずっとすごい。ライブならではの煽りも鋭くて、ジャニさんと悠太さんのパフォーマンスの系譜にいるのがヘンドリーさんだとは想像しなかった。これからの威神がもっともっと楽しみ。全ウェイゼンニ・シズニが待ち望んだ「Misfit」は、はちゃめちゃに盛り上がる一曲に。 

・Baggy Jeans  NCTデビューメンバーの再集結。変な曲だが、ダンスも歌唱もかっこよく魅せるのは並大抵の力では無理そう。マークの"Yeah boy(発音的にはヤッ ヴォォォォォォォォイ)"のかっこよ具合に問答無用にアガる。最新のテンさんが、いつだって一番最高! を更新。

・Baby Don't Stop〜Call D あまりに強烈な二人が並び、それぞれに強烈な光を放つ。強烈な「個」を一つに束ねるなんて到底無理で、どうしてもと言うなら一体化するしかない。そりゃ「Call D(ドッペルゲンガー)」ですワ……。そんな思想すら見てしまうテヨンとテンの登場。「Call D」のテンさんの歌い出し、可憐で特別。前を向かせてくれる歌声。

Universe (Let's Play Ball) わたしはこの曲のセンターで真っ直ぐに前を見つめて、力強く踊るジェミンさんが大好き。なんてセンターがはまる人なのだと思う。"Let's play ball Let's play ball / Yo, you're my universe(バースバースバース)"という謎の歌詞で、これだけ盛り上がるのおもしろすぎると思う。MVは野球モチーフなのに、いつの間にか映像はバスケットボールモチーフになっているし……。大阪初日、裸ジャケットで登場したシャオジュンが歓声をかっさらう。このスタイルへの憧れはたびたび口にされていたので、ニンマリ顔で見守った。歌声はもちろん、こうしたシャオジュン自身の魅力が観客に伝わって、大阪2日目ではより多くの歓声を受けていたし、東京最終日ではさらに大歓声を受けていた。シャオジュンさんは、本当に本当に素敵な人だから。曲終わりには、ジェミンさんが腕ガトリング(?)をぶっ放すと同時に火花が散り、 BOSSの登場。なんか……やりたい放題で最高かも……。

・BOSS   ラスト直前に披露されるに値する、クールな質感と青い熱意。初めから終わりまで極上。白眉はやはり、この曲でデビューを飾ったジョンウ。質感を変える特別な声としなやかな動き。ジョンウはいつもライブで強い印象を残してくれる。

・RESONANCE 舞台にたった一人残り、顔を顰めたマークが群衆を前に放つ"Ay yo listen up / No matter what they say / No matter what they do / We gon' resonate resonate"。このときの感情だけは、ここまでの数時間を体験しないことには伝わらないかもしれない。ここまで最多の出演曲数のマークが見せる「ヒーローの苦悩」のような表情、真でも演技でもどちらでもすごい。第2集『RESONANCE』収録の4曲をリミックスした怒涛の一曲。ゆえにキリングパートしかなく、全場面に歓声をあげてしまう。花火も惜しみなく打ち上がり、音がすれば反射的に声があがる、祭りというか、儀式のような時間だった。一度見ればわかると思う。見どころしかないので、見てほしい。

・Beautiful 初日はトロッコが2メートルほど先を通ったことで、テン・リーの輝きの記憶しかない……。ありがちな語彙だが、人は発光するんだな。かつてないほど全力でネギ鈍器(ペンライト)を振った。 

・Golden Age とにかく体を揺らして楽しんだ記憶ばかり……。初日はヤンヤンが通ったとき、周囲のウェイゼンニたちと「ヤンヤーン!」の声が共鳴した。変な曲で、最高〜。20人20色の声。

■そのほか: ほぼ雑念

・「RESONANCE」が始まる前、メンバー全員の名前が順にスクリーンに表示されるのだが、テンションが完全にできあがっていてすべてに昂っているので、「XIAOJUN / HENDERY / YANGYANG」の威神マンネラインの名前そのものに「かっこよすぎる!」とブチあがってしまい、自分で自分が怖かった。

・テンさんの歌のバイブス、トーン好きとしては、「RESONANCE」でソンチャンに代わり披露した、「クラシィーーク」、「ヴィ〜」に大痺れした。ソンチャンのフロウの雰囲気が残っているように感じたのもよかった。

・テンさんの威神パートの衣装が大好き。スカートやフリルがダンスに合わせて舞う様子だけで泣いてしまう。

・アンコール、みんなメイクがかわいくて最高。ファンシーなシールを顔に貼られていたり、ファンシーなクリップが頭についていたり、こういういわゆる「女の子的」なものを素敵に纏われているのがうれしくて。テンさん、初日はいつものようにクロップド丈のTシャツをお召しになっていてニンマリしたが、2日目はオーバーオールでの登場、最高!!!!!!

・わたしはテンさんに、身体の自由さ・可能性を教えてもらった。軽やかで、たおやかで、可憐なのに、絶対にブレることのない芯。花にも水にも鉄にもなる。わたしは運動音痴で頭でっかちなこともあって、これまで自身の身体性に一切興味がなく、意識もせず、信用もせずに生きてきたので、テンさんの踊る姿は衝撃だった。ダンスのことはまったくわからなくて、言葉にできないのが悔しい。

・MCにふれる体力がない。ジェミンさんがいつも、自分の言葉で日本語を話そうとする姿を大切に大切に覚えている。

・初日のイリチルのMCタイム、凱旋公演である悠太さんの番になり、スクリーンに顔が抜かれた瞬間から、なかなか歓声が鳴り止まないのも印象的だった。「嘘ではない言葉」をいつも探して届けてくれる。「いいことだけ言うのでは、本当に聞こえないかもしれない」と思ってしまう気持ちはよく分かる。かといって、マイナス面の話題を茶化すでも、自虐するでもなく(わたしはこの辺をやってしまいがち)、シリアスにでもなく、真正面から誠実に爽やかに届けられるのは、悠太さんだから成せることかもしれない。「RESONANCE」はどうしても不在メンバーの存在を意識してしまっていたのでなおさら。かっこいい。

・威神V、カンペが書かれているウィンウィンの手のひらを開き、カメラに映そうとワイワイする姿、「威神だ〜〜〜!」と感激した。

・大阪2日目の最後の最後、ステージの最後の1〜2人になるまで舞台に残るウィンウィンさん。ウィンウィンのための大歓声を一身に受ける姿を見て、ちょっと泣いてしまった。その瞳が、あまりにキラキラとしていて……。

・5月の横浜に続き、今回も公演後のヤンヤンInstagramの言葉が美しかった。いつも自分の言葉を紡いでくれる、紡ごうとしている感じがする。(以下の投稿、豪雨の様子も見れます)

YangYang 양양 on Instagram: "大阪のファンのみなさん!お疲れ様でした。 みなさんの愛がしっかり伝わってきましたよ。今日は雨がたくさん降っていましたが、みなさんの情熱は最後まで最高でした。また会いましょう!WayZenNi、シズニ、大好きです!"

*1:9月26日、本人たちの口から10月のカムバックが予告された。祝杯!

*2:一人です。WayZenNi、シズニなかま募集しております……

230603 ZENERATION, 230627 OO-LI

■6月上旬

THE BOYZ 2nd JAPAN TOUR「ZENERATION」の神戸公演に行く。「2023年はできるだけ軽率に現場に行く」が目標なので行くかどうかを迷っていたのだが、一般発売のありかを探す労力を惜しんでぐだっていたところに、たまたま後輩から空いた同行枠への誘い。表立った反応はなくても、アイドル応援ストーリーをちまちまあげていてよかった。

推しているグループが全員違うオタクたちとの同行となり、現実のオタクに直接会うのがはじめてなのでビビりながら合流。結果、現実世界ではじめて、「テンさんはほんとうにヤバくて……」、「こんなに下まつ毛の長いかわいい人見たことがないんですよ!(シャオジュンのこと)」と言葉を発することになった。

会場では、勢いにのまれてペンライトを購入。あわせて、現場ではいつも、記念とおみくじのような思いでランダムの紙もの(保管しやすいステッカーやトレカなど)を買いたくなるので、今回も購入。買ったすべてからソヌが顔を出し、周りから「レート高いので、持っておきましょう!」と言われる。会話のほとんどが普段はあまり口にしない言葉なので、「これが誰かと行く現場……」といちいち感激する。

やはり実際に姿を見ると、パキパキと目の前でメンバー一人ひとりの輪郭がはっきりとする。いわゆる解像度が上がる感覚。人を楽しませることはむずかしく、しかしながら、楽しませて魅せるというゴールに向かって、一秒一秒をさまざまな表現でまっとうする魅力と底力。受け止めきれないほどの輝き……。

舞台上では生身の人間から歌、踊り、ふるまいなどのなにかしらが出力されており、そこにわたしは積み重ねられた時間と歩み、努力や磨いたセンス、はたまた思いを勝手に見る。アイドルの本心まではけっしてわからないが、わたしは身体表現の雄弁さを信頼している。だから、「ステージがすべて」であるコンサートが大好きだな〜。

・今回のディスプレイグランプリ(スクリーンに写るステージ仕様のアイドルの美しさに異様におののく現象、そのおののき度合いを勝手に……)はヨンフンさん。

・好きかもしれん、と思いながら見ていたのもあるが、ジュヨンさんが踊ると目線が一気に引き寄せられてしまう。白い衣装や服が似合いすぎではないですか?

・ソヌを見ると、「オールラウンダー」とはこういう人のことをいうのか、と思わされる。パフォーマンスはもちろん、MCタイムでも抜かれるたびに、「できる人すぎる」と驚く仕上がり。

・あまりいい例えではないのは承知で、「ドボイズ杯──わたしはいったい誰を推すのかダービー」が脳内で開催された。というのも、終盤のハンニョンのまくり上げがすさまじく、「まるで、最終コーナーに入り、後方から伸びてくる競馬を見ているときの感覚だ」と思ってしまったからだった。かわいすぎる!!! 結果は以下の通り。

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・だったのだが、帰宅後に公演を反芻していると、ソヌの魅力と才能の底知れなさが妙に気になっている。

・音楽が好き、または音楽を楽しむアイドルが好き、ということでニューさんのことはずっと気になる。コンサート前日にマイケル・ジャクソンのドキュメンタリーを見ていたケビンさんも!

KeePerの記憶が鮮明で、終わってからずっと聞いている。中盤のD.D.D周辺の怒涛感、楽しかったな。

・キービジュアルでもあるDNAの二重らせん、メンバーごとに違うのがかわいい。ニューさんのDNA、ハートで構成されているのすごすぎ、よすぎ。

・演出はSMエンタ御用達の会社がやっているのですね! 衣装も全部よかったな。ジュヨンさんの異常なまくり上げられ方をしたクレージュのTシャツの左袖、事前にチェック済みだったので、登場の瞬間「きたー!!!!!」と思った。

・認識しはじめたのは、ニュー・キューが青髪・赤髪で「なにこのキャラクター!」となり、さらにティザーあれこれがかわいかったTHRILL RIDEだったので、実際に見れたことによろこぶ。一列になって蛇行する箇所でなぜか感極まる。


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NCTのことは全員を孫のような気持ちで眺めているのだが、ドボイズの面々の「ない記憶」を呼びだす大学生感…3日間ぐらい熱に浮かされる感覚でした。

■6月下旬

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WOODZ WORLD TOUR OO-LI in Japanの大阪公演に行く。突然にWOODZにやられてしまったのが3月の話。タイミングよくワールドツアーが決まり、超新規の看板を背負いながら大阪公演に赴く。

終演後すぐに「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜最ッッッッッ高!!!!!!!!」と叫び出したいほどの充実感。ライブハウスで生バンド、ラストまで出続ける信じられないほどの声量。

冒頭2曲は楽曲群のなかでも指折りのロック曲ということもあり、あまりにもロックミュージシャン然とした姿で、どう盛り上がるべきか自分の中ですこし戸惑ったのだが、3曲目「Love Me Harder」で掛け声をしているうちに気がついたら没頭。観客の声援を受けて笑みをこぼすスンヨンさんの姿、水を飲むだけで「かゎぃぃ……」、「キヨウォ……」の声が漏れる会場のMOODZ(ファンネーム)の空気に包まれ、以後、いちどの曇りもなく、最後までずーーーーーーーーっと楽しんだ。

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2023年上半期にいちばん聴いたのはWOODZだった。「ABYSS」を聴きながら、「あなたのつくる曲が大好きなんだ、大切なんだ」ということがどうにかスンヨンさんまで伝わればいいと願ったし、それが目に見える形で伝わればとたくさん歌った。会場全体がそうだったと思う。

終始盛り上がりに欠けることがなかった(すごすぎる)のだが、「On my own」〜「Sour candy」〜「BUMP BUMP」の流れでボルテージが突き抜け、そのままラストまで続いた印象。どれだけ合唱しても、スンヨンさんの声量には太刀打ちできないのがわかり、アンコールの「I hate you」〜「Hope to be like you」はさらに悔いがないほどに声を出しながら踊った。「Hope to be like you」で1秒間に3つほどのハートをつくりながら、ときおりイヤモニを外し、会場の合唱をうるうるとした瞳で聴くスンヨンさんの笑顔を見ていると、「ABYSS」を聴きながら感じた願いが届いたように思った。

230506 The FIRST VISION 備忘録

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WayV(威神V)JAPAN EVENT 2023「The FIRST VISION(ぴあアリーナMM)に行く。これまで以上に気持ち的に「本気(ガチ)現場」のため、絶対に体調を崩せないプレッシャーや、新幹線遅延などのアクシデントへの不安を感じながら、この2か月ほどを過ごした。

これほどまっすぐに愛を届けてくれたのだから、こちらもまっすぐに「愛してるよ」と届けたい。この世界の中にいながら、いつでもまっすぐに笑って、まっすぐに愛を届ける姿を見せてくれてありがとう。笑う姿を見るたびに思うことなのだが、世界中から愛されてほしい。

メンバーからつぎつぎに繰り出される「愛してる」を、ウェイズニ(ファンネーム、威珍妮、WayZenNi)に対する愛情表現として、真正面からそのままに受け止めることができたのも、とても居心地のよい空間だった。これは「本気(マジ)の愛だ……!」となるほどに威神たち自身が照れなくまっすぐに届けてくれたこと、それから演出や会場の雰囲気による賜物だと思う。

この日いちばん、涙を誘われてしまったのが、星野源「恋」の歌唱+恋ダンスのカバー。彼らがいつも前向きな姿を見せようとしてくれたこと、その形がここに集結した気がして、涙なしでは見られなかった。ウェイズニの反応のよさもあってか、ぴょんぴょんとステージを跳ねまわるいきいきとした姿を見ながら、「ここまで歩んできてくれてありがとうね」という思いが止まらず……。

ジャカルタでもインドネシアの曲をカバーしていたから、「なにかはあるかも、でもバラードかな〜」とたかを括っていたところに流れ出す、エキゾ音階。披露後のコメントにて、「友人やスタッフに聞いて、これがいいんじゃないかって」と話しておられたが、推薦してくれた方、大正解すぎる。ダンスもめちゃくちゃ仕上がっており、練習量が目に見えるよう。歌唱力の安定感を堪能できたのも最高だった。

「カラスと人々の群れ♪」のあとの背中合わせになったテンさんとシャオジュンの記憶、いちはやく脳から取り出してGIF動画としてデータ化しておきたい。

メンバー  雑感(年齢順)

・VCRが終わり、登場時にスクリーンに映る最初の顔を見て、ステージ仕様のアイドルのあまりの美しさに異常に慄くことがあるが、今回はヤンヤンに慄いた。

ヤンヤンのラップとパフォーマンスのThugさが大好き。めちゃくちゃアガる。好きなラッパーがTravis Scott、A$ap Rockyだというヤンヤンのこと、大好きなんだよな。

・思いを言葉にするのがうまいというか、きちんと言葉にして届けようと努めている、ヤンヤンの真摯な感性をまじまじと受け取った。ふだん早口なところも含めて、いろいろなことを頭の中でぐるぐる考えている人なんだろうなという印象を受けた。終演後のInstagramの文もよかった(以下)。思考の流れを感じる文章だなと思うので、これを読むといまだに泣けてしまう。

YangYang 양양 on Instagram: "昨日と今日、公演を見に来てくれたみなさん本当にありがとうございました❤️❤️言葉で表現するのが難しいですが、本当に感謝しています。みなさんが僕たちの光です。WayVを照らしてくれてありがとうございます!"

・おもにパフォーマンス以外のときの姿を見ながら、ヘンドリーはこんなに繊細な表情をもつ人なのかとハッと気がついた。いつも周りを見ている人だという印象があったが、その印象を裏付けるようなまっすぐで、繊細な人。だからこそ、無邪気に笑う姿には一段と魅入られてしまう。

・話題にもなっていたが、美しさで現場の目線をつねに惹いていて、スクリーンに映るたびにあちこちから感嘆の声が漏れまくっていたのもよすぎた。

・罰ゲームの激苦ジュースが案外おいしいというくだり、渋い顔をしながら、しれ〜〜〜っと輪から外れて難を逃れるヘンドリーさんがかわいらしかった。

・シャオジュンくん、100年分の「きみがいちばんかわいいよ!」を献上したくなった。あんなに凛々しい顔立ちながら、嬉しいときには心の底から湧き出すようにニマニマと笑って、大切そうに歌を歌う人。君を笑顔にするためならなんでもできそうだよ……。

・声量が段違いで、シャオジュンの歌はライブが至高なんだと知れたことがうれしい。シャオジュンくんがいつでもあの笑顔で笑って、歌える世界でありますように。満席の会場と盛り上がりを見て、「(これなら)日本でコンサートもできるんじゃないかって」と言ってくれたことがうれしかった。

・パフォーマンス中にジャケットを肩からずらしてみるジャケット芸(?)を頻発していたシャオジュン、かわいすぎる。

・テンさん、ついつい「神さまみたいだ」とか言いたくなってしまうけど、超超超超超超人間味いっぱいの、太陽みたいで……。地に足をつけたまま、わたしたちに目線を合わせながら、愛をくれる人だった。そう、こんな風に笑う人だから、わたしはこの人を応援することを決めたのだった。かなわない。

・いつも新しい姿を見せようと努力していて、それが伝わるから、最新のテンさんがいつだっていちばん最高! といつも思うのだが、今回もやっぱり最新のテンさんが最高!

・額縁ゲーム(提示されたお題を、小道具を使いながら額縁内で体現し撮影。なんのお題を表現しているか、会場一丸となり当てるゲーム)のとき、ついさっきまで ⌒ ⌒ こんな目をしていたテンさんが、準備が終わり、いざ撮影という段になって、あの! あの "スッ────"というゾーンに入った目をしていて感動した。

・着席での参加となったクンさん、表情となにより歌声から、ステージ人としての矜持が伝わる。スクリーンに抜かれる姿を見るたび、強い人だなと感じた。 

・めちゃくちゃ当たり前のことを言うが、クンさん、お顔がかっこよすぎる。メンバーに向ける慈しみにあふれた目を見ると、こちらの目尻も下がりっぱなしになる。今回の話ではないのだが、たまにメンバーにみせる呆れの表情が好きです。

以下、セットリスト順の備忘録。
1. Take Off
2. Kick Back

威神を見ているという感覚に脳がついていっておらず、1曲目「Take Off」の記憶がなさすぎる。「ダンスブレイクだああああ」という興奮だけが鮮明。2曲目「Kick Back」も、穴が開くほど見たダンスが目の前で広げられていることにひきつづき混乱。

コーナー

・MCのおいでやすこがの登場、日本イベントであることを実感。

・早口すぎて聞き取れないヤンヤンによるNARUTOのセリフ、およびその後にかろうじて聞き取れた「写輪眼」よすぎる。「ぼくたちみんなアニメが好き」というテンさん、ありがとう。

・「日本のコンビニで買うもの」のくだり、言おうか迷いながらも、テンさんの後押しを受けて発される、ヤンヤン「ビール」。会場全員が昨夜のストーリーを見て、2人でビールを飲んでいたことを知っていますよ……。躊躇するの、かわいいね……。

・テン+シャオジュンのレッドチームによるRed Velvet「Red Flavor」。

3. Phantom
4. Nectar

・天井から降りてくる、2本の鉄骨で作られた「V」マーク。鉄骨、こんな風に活かせるんだ、と感心。

・着席で参加のクンさん以外の4人が全員、黒いタンクトップ姿になったNectar、意味がわからなくて、最終的に感情が笑いとして変換・出力された。公演後のインスタライブによると、クンさんも「なんだ?!」となっていたようなので、この感想も許されたい。

5. Illusion(aespa)~ Candy(NCT DREAM)~ SherlockSHINee
6. 恋(星野源
7. Welcome To My Paradise

・まさかの日本オリジナル楽曲「Welcome to My Paradise」。新曲が日本で披露されるというだけで驚いたのだが、スクリーンに映される歌詞に「巡り巡って」という日本語が表示された瞬間の会場のどよめき! 「なるほどね、英語曲ね。うんうん」とニンマリしていたところに現れる日本語。会場で曲を聴きながら、頭の片隅にウィンウィンがずっといたから、公演後に公開された情報にウィンウィンがいたときはうれしかったな。

8. Good Life
9. Dream Launch

・とくに好きな曲たち。「終わるな────」という思いまくったことしか記憶にない。

・4階席だったので、次の機会があればもっとパフォーマンスを堪能したい。

終演後、一人でごそごぞネギ鈍器(ペンライト)を取り出して撮影しようとしていた人間に、声をかけてくださり、銀テープをくれた方、ありがとうございました。最後まで、幸せな気持ちを抱えて終われたペンミだった。

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トレカ目当てでとりあえずCDを購入。トレカはもちろん6種ランダムで、スタッフさんもトレカを後ろに向けたまま、見えないように渡してくれる。ひっくり返すと、テンさんとシャオジュンが笑っており、にんまり。

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一人でも、やることは全部やるぞ! と思い、ファンシーなスリーブに入れたテンさんとシャオジュンのトレカを手に、いそいそとトレカ芸に励んだ。

2303

■3月下旬

突然にWOODZにくらってしまう。これまでも「I hate you(난 너 없이)」のMVのスタイリングとビジュアルに「いいね〜」と思っていたり、新曲の「ABYSS(심연)」も曲だけは聴いていたのだが、ふと「ABYSS」のMVを再生し、本人による歌詞に気をとめた瞬間、WOODZという人の姿が一気に輪郭を帯びた。

事務所を移籍してはじめて出す楽曲に、この歌詞を乗せ、ため息まじりで歌うこと。ここに思いを馳せたとき、まだスンヨンさんのことをなにも知らないのに、「この人は音楽のことを信頼している人なのだろうな」とハッとした。自分の一部分をこぼす先としての音楽、こぼした一部分を誰か(顔も知らない誰か)に届けるボトルメールとしての音楽──音楽が切実に作用するものであることを知っている人なのではないか、と思ってしまった。


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いちどそう思うとどんどんと好きになってしまい、過去の曲も新たに出会い直すような感覚になる。「ABYSS」に際してのいろいろなインタビューも、翻訳機を片手に読んでみる。Marie Claireでまさに音楽について語っており、ここで完全にノックアウト。

제가 음악을 통해 전하는 이야기에 믿을 만한 가치가 있기를, 그것이 사람들에게 닿아 각자의 방식으로 해석되며 긍정적인 2차 작용을 일으키기를 바라요. 그렇게 제가 누군가의 삶에 음악으로 함께하면서 추억을 남길 수 있으면 좋겠어요.

──진심은 통한다고 믿나요?

진심은 통할 거예요. 언젠가는, 무조건.

우즈(WOODZ) 인터뷰 | 마리끌레르 코리아 | Marie Claire Korea

私が音楽を通して伝える話が、信頼に値するものであればいいと願っています。それが人々に届き、それぞれの方法で解釈され、ポジティブな二次作用を起こすことを願います。そのように私が音楽を通して、誰かの人生とともにしながら、思い出を残せたらと思います。

──真心は通じると信じますか?

真心は通じると思います。 いつかは、絶対に。

* 韓→日、韓→英の自動翻訳を照らし合わせて作成。

ちょうどNCT マークの「Child」を聴き返して、「ABYSS」を聴いたときと同じようなことを感じたところだった。他者とのコミュニケーションへの願いと、それに伴う恐れが乗っかっている。なんというか、忙しく、人の目にも晒され続けている彼らにとって、そういう気持ちのほつれを託せる存在があることと、それが音楽であることに、まずは安心に似た思いを覚える。それから「音楽っていいよね」という純粋な共感も。

あとはなにより、歌声が大好き。とても伸びやかで、気持ちがよくて、聞こえてくると視界をパッと開いてくれる。思いが高ぶりすぎて、とりあえず各SNSのアカウントに動画や楽曲へのアクセスURLを貼りつけまくっている。


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まだグループ時代までは追いきれてないのだけど、ヘッドマイクの直球アイドル姿も、これはこれで正直、見てみたいな……。(スタイルがよすぎる!!!!!)


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そして、ワールドツアーの発表とのことで……。なんとか末席でいいので参加したい所存。

2302 THE DREAM SHOW2: In A Dream

■2月18日(土)

NCT DREAM「THE DREAM SHOW2: In A Dream」の京セラドーム追加公演に行く。NCT 127(イリチル)のときにも感じたことだけど、歌って踊る姿と表情に全部が表れている、と思わせてくれるパフォーマンスが嬉しい。音楽が彼らにとって楽しいものであったり、なにかを注ぎ込める存在であってほしい、といつも思う。

今回も一人のため、会場で売っていたキンパを黙々と(うまい……!)と思いながら食べて待つ。「長いおつきあいになればいいな」と、草鈍器(ペンライト)はついに購入。中学生のころから、数時間かけて電車を乗り継いでライブに通ってきたので、一人行動に抵抗はないのだが、感想は誰かに聞いてほしい。いらん自制心が働いた結果、グッズの購入は断念(後悔)。スタンド下段の後方で、うっかり双眼鏡を忘れたのだけが心残り。

チョンロとヘチャンに肩入れはしつつ、「みんながわ”い”い”!」と思いながら楽しんだ。

韓国語と日本語を混ぜこぜにしながら話すナ・ジェミンさん、これまでのステージやコンテンツからまっすぐな印象をもっていたけれど、その誠実さを真正面から受けとれたような気がする。「天才アイドルは一日にしてならず」というか、この思考と誠実さゆえの輝きなんだなと、眩しくて思い出すと泣けてくる(時差)。「ぼくは、みなさんのうさぎちゃんとねこちゃんです!」のあいさつもアイドルの夢いっぱいで涙を誘う……。

初日はサプライズのように披露されたダブルアンコールの「Candy」。2日目だとすでに知っている人も多いはずで、どうしてもボルテージは下がるのかなと思いながら見守っていると、「知ってたくせにぃ〜〜〜」と客席を指差して笑いながら登場するジェミンさん、完璧。言葉一つで、この日を特別な唯一無二の一日にしてしまうふるまい、めちゃくちゃブラボー、拍手喝采、本当にイカしていた。

あらためてセットリストのプレイリストを聴いても、どの曲もいい。印象的だったのは、会場のテンションが一気に上がったのがわかった「Saturday Drip」。チソンさんの「Osaka, Make some noooooooise!!!」が忘れられない。NCT全体のなかでも、とくに好きなドリムのファンキー&グルーヴィーな楽曲群「Irreplaceable(주인공)」、「Better Than Gold(지금)」もとても眩しかった。後半の流れも怒涛で、「Trigger the Fever」のイントロが流れた瞬間、脳にセロトニンドーパミン、その類の物質がワッと発生するのを感じた。


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7人全員が、それぞれの持ち場で100点満点をたたき出していて、全員の点数を重ねることで、完全なレーダーチャートができあがるような印象。気持ちのいい公演だった。ほくほくした気持ちを抱えて、帰った。


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■2月20日(月)

ドリムの余韻をずりずりと引きずりながら、翌々日はPhoebe Bridgersのライブを見る。バックスクリーンに映るデスメタルっぽいロゴが燃えさかり、ハードコアな音楽が流れるなか登場するフィービー、めちゃくちゃ憧れた。演奏でも、想像していたダイナミクスのある音というよりも、重心の低い音像がつくられて鳴っていたように思う。あまりライブで聞いたことのない音像感で、とてもかっこよかった。

DISTOTIONAL ADDICT

■12月

ナンバーガールの解散に配信で立ち会う。メキメキに仕上がった演奏。この日のアヒト・イナザワのドラムの音で、この公演の仕上がり度合いを確信した。

回を重ねるごとに仕上がっていく、かっこいい音を出そうとするプレイヤーとしてのプライドが本当に嬉しかった。世界一憧れたバンドの音楽が、圧倒的で、いまなおオルタナティブで、かっこよくあってくれることが嬉しい。わたしにとって本当に世界一なので、誇張なく、すぐに「世界一!」と言ってしまう。再結成してくれて、ありがとうございました。本当にありがとうございました。

せっかくなので、過去の下書きを放流する。

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■2019年 再結成発表時

どんな言葉を重ねても蛇足になるが、ナンバーガール……。誰とも絶対に同じにならない思いを心の中で練りまわしている。当たり前のことだが、「ナンバーガール」で検索しても、どこにもわたしの気持ちは転がっていない。ototoyの聞きたい曲投票、「YOUNG GIRL 17 SEXIALY KNOWING」が21位と低いのが納得いかない!

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■2020年2月10日「逆噴射バンド」Zepp Osaka Bayside

ナンバーガール、世界でいちばんかっこよかった。9月の京都音博で見たナンバーガールは、野外の音量制限や雨だとか、それかわたしの体調か、なんらかの理由はあるとしても、想像を超えなくて悲しかったのだった。感動はあったけれども、心の底では「結局、過去の音楽か」と意気消沈して、久しぶりに会った友人との会話もほどほどに帰ってしまったほどだった。

もう一度最後に確かめるような気持ちで、2階席のチケットを確保した。結果として、わたしが世界一憧れたバンドは、この日、世界一かっこよかった。あんなにうるさい音を人生で初めて聞いた。

2002年当時の音が実際にはどうだったのか、知るよしもないけれど、凄まじい轟音がライブアルバムには収まりきっていないと知れたことが痛快だった。ライブ音源には収まりきらない音がたくさん聞こえてきて、もはや初めて知ったバンドを見ているような感覚。それがなにより、かっこよくて嬉しい。完全に「オルタナティブ」だった。

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■2020年3月1日 生中継

一曲目「鉄風鋭くなって」のアヒト・イナザワのドラムの音が、もう完全にナンバーガールの音をしていて、2月に感じたことが確信に変わった。

MCや、拳銃やたばこを使った演出を眺めながら、『SCHOOL GIRL DISTOTIONAL ADDICT』のあの雰囲気をつくる、向井さんのギターの音の特異さが改めて響いてくる気がした。「あの演出に流れる音楽には、あのコードの音しかないんだな」とわかったようなわからないような気持ちになった。

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■2021年11月28日「我々は逆噴射である」Zepp Osaka Bayside

「I don't know」の音のデカさ。序盤からすでにデカいのに、中盤さらにブーストがかかるのが過剰すぎて本当に好き。

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■2022年12月9日

「スッキリ」への出演を見届ける。「透明少女」の前口上で、意味はわからないまま感極まって泣いてしまう。「わかるか、わかんねぇか」、そう、ナンバーガールはそういうバンドなのである! と直感的に受け取った。コミュニケーションへの期待と欲と、ディスコミュニケーション? 

ライジング・サン・ロックフェスティバル2022の模様を見る。バックステージの姿から、気合いの入りようが伝わる。演奏時の表情や解散を宣言する向井さん、これまでにあまり見たことのない姿のような気がしたのが印象的だった。(解散を発表すると知って見ているからかもしれない)

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最後に、わたしが2005年、中学3年生の夏、ギターリフのあとバンドが一気に入ってくる瞬間に、画面に目が釘付けになった演奏を。夢のような3年半でした。


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2211-2212

■11月

友人とPavementの話をしながら、その場でチケットを確保する友人の横で「あとで取るわ〜」と後まわしにしたのが幸い。後日、近い日程でPhoebe Bridgersの公演が決まり、完全な日程のかぶりでNCT DREAMの京セラドーム公演が決まる。悩んだけれど、Phoebe BridgersとNCT DREAMのチケットを取ることに決めた。

再始動、再結成で思い出すのは、「化石を見るような気持ちになったらどうしよう」と不安に思いながら行ったAmerican Footballのライブ。思い入れのある曲が聴けた、という以上に「生演奏を聴く」という醍醐味を感じられる演奏で、化石どころかみずみずしいふくよかな音が鳴っていたことに感激した。といいながら「Never Meant」のイントロが流れると、普通にめちゃくちゃ嬉しくて感動してしまったけれども……。ナンバーガールを再結成後に初めて見たときはフェスだったこともあって、音響面で「ムム?」という気持ちを持ちながら、一方では泣いていたりするし(この「ムム?」は単独公演の爆音で吹っ飛ぶことになる)。


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■12月

『シスター 夏のわかれ道』を見る。中国出身のアイドルにふれる機会が増え、自ずと、あるいは意識的に中国に目を向けることが増えた。中国現代史に関する新書を読んでみたり、もともと興味のあったSF小説をいくつか読んだのも今年のこと。そうしたものに触れるたびに浮かぶ自分自身が持つレッテルにも向き合いながら、現在、とくに若い人たちは中国でどんな風に暮らしているのか、今の姿を知れたらと情報を取捨選択している。

映画は、登場人物がボロボロと大粒の透明な涙を流すたびに泣いてしまい、終わったころにはひどい頭痛。シスターフッドという感覚を自分自身の経験として、腑に落ちる形で感じられていないのだが、この映画を観ながら、わたしが主人公に対して向ける、頷きとエールのようなこの気持ちがもしかしたらそうなのかもしれないと思った。

ナンバーガールの再解散ライブ(配信だけど)も、WayVのカムバックも控えているので、1年の振り返りにはまだまだ早そうな12月中旬。

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■10月初旬

最近、アルバム単位で音楽を聴くのがアツい。あるいは、ライブやコンサートのセットリスト順のプレイリスト。というのも、プレイリストやRelease Radarを聞きながら、曲の途中で「次の曲へ」ボタンをぽんぽん押していることに気がついたから。曲の途中で「だいたいこんな感じか。オッケー」と無意識にジャンルや雰囲気をカテゴライズしたり、「好き/うーん」をとりあえず判断したりした瞬間、曲を聴く集中力が途切れてしまい、最後まで聞いていられなくなる。じっくり音楽を聞く余裕のなさの表れかもしれないし、「名曲レーダー」の幅がすごく狭くなっているのかもしれない。とにかく、「音楽がおもしろくない」と思ってしまうのは、ほんとうにおもしろくない。(という意味で、ここ数年、音楽の聴き方の新しい側面を教えてくれたK-POPがあって本当によかった)

「全曲シングルカット可」のアルバムもものすごいけど、アルバムの流れにあるからこそのシンプル・実験的な小曲だったりも魅力的。単体で聴いても最高だけど、Yo La Tengoの「I Heard You Looking」と「Blue Line Swinger」はアルバムの最後に置かれているのがかっこいいし。(ヨ・ラ・テンゴの熱心なリスナーではないのだが、この曲の入った2枚のアルバムは特別に好き)


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My Bloody Valentineの「Soon」もやっぱり最後に聞きたいし、ナンバーガールの「桜のダンス」はあの勢いの中に置かれているから良さに気がついたようなところがあるし、透明雑誌の「ILLMAGA」もアルバムの中の一曲だから光っているし……。

そうしてアルバム聴きをしていちばんよかったのはEthel Cain。スケールの大きさにどんどんとのまれていく。行ったことはないので、あくまで想像だが、アメリカの広さと深さ、光と影という印象をもった。「A House in Nebraska」という曲に心を掴まれたので貼ろうと思ったが、「American Teenager」のMVのサムネイルがAmerican Footballじゃないか……(ラブ)。


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NCT 127の第4集『2 Baddies』も、「흑백 영화 (Black Clouds)」や「LOL (Laugh-Out-Loud)」などなど、活動曲にはならないのだろうけど、いい曲の揃ったアルバムだった。イリチル、どのアルバムもしっかりいい曲が並んでいて、すげーって思う。「9人9色の声色あってこそ」というのも強く感じる。大人数で歌い継いで構成するよさ、ユニゾンのよさなどというのは、これまであまり意識していなかった音楽の聴き方で、本当に楽しく、感動している。


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■10月中旬

物欲の爆発期。冬服、デスクミラー、アイシャドウ、美容液、フェイスパウダー、ルームランプ……。ZARAの服のサイズは、永遠にハマってくれない。いつもとにかくでかい。わかっていても、「今度こそは」の期待を込めて買っては、案の定後悔をする。

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いちばん好きなインド料理店のディナーにもようやく行く機会があった。味の複雑さが楽しい。


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最後に、最近ふと思い出した2018年の最良の一曲、American Pets「Dying Alone」。これだけのド名曲を残して、2022年現在は動いていないようだし、LAのバンドということしかよく知らないのだが、一生覚えているであろう一曲。MVもグッとくる……。