DISTOTIONAL ADDICT

■12月

ナンバーガールの解散に配信で立ち会う。メキメキに仕上がった演奏。この日のアヒト・イナザワのドラムの音で、この公演の仕上がり度合いを確信した。

回を重ねるごとに仕上がっていく、かっこいい音を出そうとするプレイヤーとしてのプライドが本当に嬉しかった。世界一憧れたバンドの音楽が、圧倒的で、いまなおオルタナティブで、かっこよくあってくれることが嬉しい。わたしにとって本当に世界一なので、誇張なく、すぐに「世界一!」と言ってしまう。再結成してくれて、ありがとうございました。本当にありがとうございました。

せっかくなので、過去の下書きを放流する。

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■2019年 再結成発表時

どんな言葉を重ねても蛇足になるが、ナンバーガール……。誰とも絶対に同じにならない思いを心の中で練りまわしている。当たり前のことだが、「ナンバーガール」で検索しても、どこにもわたしの気持ちは転がっていない。ototoyの聞きたい曲投票、「YOUNG GIRL 17 SEXIALY KNOWING」が21位と低いのが納得いかない!

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■2020年2月10日「逆噴射バンド」Zepp Osaka Bayside

ナンバーガール、世界でいちばんかっこよかった。9月の京都音博で見たナンバーガールは、野外の音量制限や雨だとか、それかわたしの体調か、なんらかの理由はあるとしても、想像を超えなくて悲しかったのだった。感動はあったけれども、心の底では「結局、過去の音楽か」と意気消沈して、久しぶりに会った友人との会話もほどほどに帰ってしまったほどだった。

もう一度最後に確かめるような気持ちで、2階席のチケットを確保した。結果として、わたしが世界一憧れたバンドは、この日、世界一かっこよかった。あんなにうるさい音を人生で初めて聞いた。

2002年当時の音が実際にはどうだったのか、知るよしもないけれど、凄まじい轟音がライブアルバムには収まりきっていないと知れたことが痛快だった。ライブ音源には収まりきらない音がたくさん聞こえてきて、もはや初めて知ったバンドを見ているような感覚。それがなにより、かっこよくて嬉しい。完全に「オルタナティブ」だった。

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■2020年3月1日 生中継

一曲目「鉄風鋭くなって」のアヒト・イナザワのドラムの音が、もう完全にナンバーガールの音をしていて、2月に感じたことが確信に変わった。

MCや、拳銃やたばこを使った演出を眺めながら、『SCHOOL GIRL DISTOTIONAL ADDICT』のあの雰囲気をつくる、向井さんのギターの音の特異さが改めて響いてくる気がした。「あの演出に流れる音楽には、あのコードの音しかないんだな」とわかったようなわからないような気持ちになった。

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■2021年11月28日「我々は逆噴射である」Zepp Osaka Bayside

「I don't know」の音のデカさ。序盤からすでにデカいのに、中盤さらにブーストがかかるのが過剰すぎて本当に好き。

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■2022年12月9日

「スッキリ」への出演を見届ける。「透明少女」の前口上で、意味はわからないまま感極まって泣いてしまう。「わかるか、わかんねぇか」、そう、ナンバーガールはそういうバンドなのである! と直感的に受け取った。コミュニケーションへの期待と欲と、ディスコミュニケーション? 

ライジング・サン・ロックフェスティバル2022の模様を見る。バックステージの姿から、気合いの入りようが伝わる。演奏時の表情や解散を宣言する向井さん、これまでにあまり見たことのない姿のような気がしたのが印象的だった。(解散を発表すると知って見ているからかもしれない)

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最後に、わたしが2005年、中学3年生の夏、ギターリフのあとバンドが一気に入ってくる瞬間に、画面に目が釘付けになった演奏を。夢のような3年半でした。


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