SHINee WORLD Ⅵの名古屋公演に行く。
いまさらながらK-POPをこれほどまでに好きになった理由にはいろいろとあるが、SHINeeがかっこよかったこと、というのはかなり大きい。「Don't Call Me」のティザーイメージ、SF感覚、完璧なスタイリング。
さらに、ディスコグラフィーを振り返るなかで出会った「View」の鮮烈さ。はじめてきちんと「View」を聴いた場所まで覚えている。その瞬間、景色の見え方が変わったから。この瞬間を機にK-POPへののめり込み方が変わった。だから、わたしは自分のことを明確に、「View前」と「View後」で分けることができる。
「1 of 1」は、暫定でいちばん好きなタイトル曲。ちょっと疲れてしまって歩みが止まったとき、この音に合わせてステップを踏めば、背中を押されるように一歩を踏み出すことができる。『Odd』も『1 of 1』も収録曲がいい曲揃いで、「SHINeeを聞かずに、2015〜2016年のわたしはなにを聴いていたんだ?!」と思わず言いたくなってしまう(とはいえ当時は当時で夢中なものがあったのだ)。
こうした出会いのどれもが、彼らが今日まで活動を続けて、新作のたびに妥協なくかっこいい音楽と作品を生み出していたからこそであるし、3人で敢行された今回の公演もそう。それでも舞台に立ってくれるから、わたしのような新規のファンがSHINeeを輪郭のある存在として感じることができた。「SHINeeはここにいます」と新旧のファンに宣言すること。15年目のアイドルが回る、5年ぶりのツアーの意義を直感的に理解した。
隣席の方が、初期の曲で完璧に掛け声をされているのが眩しかった。SHINeeとシャヲル(ファンダム名:SHINee WORLD)の間のつながりがはっきりと目に見えるようだった。わたしもこんな風に、なにかと人生をともにできたらいいなと思った。わたしの両親以上の年齢(に見える)のご夫婦が何組かいらっしゃったのも、彼らが重ねた歩みの分厚さを垣間見るような思いになった。
なんといっても曲がいいので、客席で曲にあわせて歌ったり、踊ったりしているだけでも満足度は十分に高い。でもやはり、パワフルなパフォーマンス。テミンさんのターンの美しさ。それから、テミンさんの脚の動きを見ればリズムがわかるというか、ふとリズムを見失ってもテミンさんのステップがノリ方を教えてくれるというか……。身体から音符が飛び出すようで、これがかのイ・テミンさん……! と感動しきりだった。
新規のファンゆえにまだまだ自信をもって話せることは少ないのだけど、とにかくSHINeeの歩みのすべてに敬意を表したい。
MMAもぶっちぎりでかっこよかった。5人の声がきちんと聞こえる演出、オニュさんとジョンヒョンさんの歌声の特別さが、新規のファンであるわたしにも鮮やかに伝わってきた。合同コンサートや年末の授賞式などパフォーマンスのたびに、ぶちかましておられるようで痺れる。ほぼ同い年ということもあり、とても勇気をもらっている。